「芽衣子。連れてきてくれて、ありがとう。みんなに会えて良かった」
家の門を出てお礼を言うと、芽衣子はほっとしたように笑った。
あたしがホームシックみたいになるんじゃないかって、ちょっと心配してたみたい。
「友也すげー変わったろ?」
「変わり過ぎだよ! 別人じゃん! あの友也があんなチャラくなるなんて……」
「女もとっかえひっかえしてるみたいだぜ?」
「し、信じられない……」
「でも、根はしっかりしてるから、心配すんな」
しっかりって、どこが?
あんな変わりようを見たら、全然安心なんてできないじゃん。
芽衣子は出てきたばかりの家を見て、目を細めた。
「リンが死んだあと、友也もかなり沈んでたんだってよ。学校で口きかなくなるくらい」
「え……」
「でも、おまえの家族の中で、いちばん初めに立ち直ったのは、友也だったらしいぜ。
そんでおばさんとおじさんに喝入れて、いまの明るい状態に戻したのは、あいつなんだよ」