フックからお守りを外して、中をのぞく。
「あった……」
小さな小さな、机の鍵。
あたしの秘密の鍵だ。
「なんだ? その鍵」
「これね。引き出しの鍵なんだ」
ためしに鍵を使う前に、机の1番上の引き出しを引いてみる。
鍵はかかったままだ。
じゃあこの鍵の存在は、いままで誰にも見つからずにきたのかな。
「誰にも見せたことないんだよ。芽衣子が初めて」
「え。あたし見ちゃっていいのか?」
「いいよお。ちょっと恥ずかしいけど、時効ってやつだよね」
鍵を差し込んで、解錠する。
なんか、タイムカプセルを開けるみたいな気分になった。
「……うん。昔のままだ。やっぱり誰にも、開けられてなかったみたい」
「どれどれ。」
芽衣子がのぞきこむ。
引きだしの中は、ごっちゃごちゃ。
色んなものが、無造作に入ってる。
でも、全部大切なものなんだ。
この引き出しは、あたしの宝物入れだったの。


