芽衣子と2人で2階に上がった。
15年ぶりに入ったあたしの部屋は、まるで時間が止まってるみたいに、何も変わっていなかった。
カーテンも、ベッドのカバーも、机の上の教科書の並びも、壁に飾られた写真も。
全部全部、前世で過ごしていた時のまま。
まるで、『柏木リン』として、部屋に戻ってきたみたい。
「全然……変わってない」
ただ少し、この部屋だけ、空気がひんやりしているような気がした。
カーテンは開かれてるし、日当たりもいいのに、不思議だね。
「ああ、変わってないな。たぶんこの部屋は、ずっとこのままなんじゃねーかな」
「……それって、やっぱり」
「心配すんな。もうおまえの家族はちゃんと、リンの死を受け入れてるよ。事故のあとしばらくは、ひどい状態だったみたいだけどな」
「そっかあ……」
あたしがバカだったせいで、『るいち』や芽衣子、それに家族にも辛い想いをさせてきたんだ。
お母さんのこと、きっと泣かせちゃったよね。
お父さんも、泣いたのかな。
友也は……まだ小学生だったから、すごくショックを受けたよね。
いまはあんなにチャラくなっちゃったけど。
「……死にたくなかったなあ」


