「芽衣子は、いいよ。あたしは会えない。もう赤の他人なんだもん」
「んな悲しいこと言うなよ。大丈夫だって。従妹を急に預からなきゃいけなくなったってことになってるから」
なってるからって、つまりもう家族に話しちゃってるってこと?
なんで勝手にそんなこと……。
なんて、決まってるよね。
芽衣子はあたしの素直じゃない性格を知ってるから、強引に話を進めてくれたんだと思う。
そうしてくれなかったら、あたしは絶対に、前世の家族と会えなかった。
「……ありがと、芽衣子」
「やめろよ、礼なんて。じゃ、いいか? 行くぞ」
「うん」
芽衣子がインターホンのボタンを押す。
ドキドキしながら、あたしは芽衣子の手をギュッと握りしめて待った。
『はあい。どちらさま?』
そのゆったりとした声が、機械から流れ出た時。
震えが一気に、全身へと広がった。
変わってない。
お母さんの声だ。


