そのあと芽衣子に連れられて、着いた先は。
「うそでしょ……」
見覚えのある、三角屋根。
低い塀に、小さな門構え。
駐車場には記憶にない、雨除けの屋根がついてるけれど。
目の前に建つのは、昔とそう変わっていない、前世の我が家だった。
「ちょっと、芽衣子! 寄りたいところって、ウチだったの?」
「おう。毎年墓参りのあとは、リンの家にも線香上げに来てんだよ」
「そう、なんだ。いや、でもだからって」
「リンも気になってただろ? 自分の家族のこと」
そりゃあ……当たりまえじゃん。
気になってたよ。
気になってたけど、考えないようにしてきたんだよ。
もう会うことだって、できないんだからって。
あたしはもう、別の人間だからって。
それに、小鳥遊凛にも家族がいるから。
優しいお父さんとお母さんが、ちゃんといるから。
前世の家族のことは、忘れなきゃいけないって、思ってたんだよ。


