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良く晴れた日曜日。


青空の下、たくさんの花に囲まれて、

薫るのはお線香の渋い香り。




「まさか、自分の墓参りに来ることになるなんてね。さすがに思ってなかったよ」




死んだ本人を目の前に、律義にお墓に手を合わせてる親友にそう言えば、

黒いワンピースを着た芽衣子は、いたずらっぽく笑った。




「貴重な経験だろ?」




確かに普通の人は経験しないだろうけどねえ。



柏木家の墓石を前に、あたしはずっと微妙な気分だ。

だって確かに『柏木リン』は死んだけど、生まれ変わってここにこうして、生きてるわけで。


でも、お墓に収まりきらないくらい生けられた花たちには、ちょっとあったかい気持ちにさせられた。


あたしって、けっこう愛されてたのかなって、思えてさ。