「なんで芽衣子がイライラするの?」
「だからさー。はやくくっついちまえよ! って思うわけ」
「く、くっつくって、あたしとるいちが!? なにバカなこと言って……」
軽く言い合いながら下駄箱まで来たら、
出口のところに、見覚えのある女子が1人立っていた。
あれ……あのコ、昼休みにるいちに告ってた下級生?
下級生は玄関が別で、北側にある。
こっちは2、3年の南側。
こんなとこでなにしてるんだろう?
……なんて、決まってるよね。
絶対、るいちを待ってるんだ。
「リン。どうする?」
「え? どうするって、なにが?」
「ライバルだろ、あの女。シメるか?」
なんでそうなる!
いい笑顔で制服の袖をまくらないで!
親友が男前すぎてついていけないよ~。
なぜかやる気まんまんになってる芽衣子を抑えていたら、突然肩をがしりとつかまれた。
「リ~ン~。おまえなに先帰ろうとしてんだよ?」
「わっ。る、るいち……」


