「清春……!?」




づかづかと部室に入ってきた清春は、いきなり深田くんにつかみかかった。


胸倉をつかまれた深田くんは立ち上がって、真っ直ぐに清春を見返す。



な、なんでこんなことになってるの?




「恭次。おまえなにしたの」


「なにって?」


「凛になにしたのかって聞いてんだよっ!!」




ええっ!?

あ、あたし!?


よくわからなかったけど、あたしも慌てて立ち上がって、清春の腕に飛びついた。




「ちょっと清春! なに言ってんの!? 深田くん放しなよ!」


「凛は危ないから離れてな」


「あ、危ないことしようとしてるってこと? ダメだって! なんでそんな怒ってるのさ!」




深田くんだって、なんで清春につかみかかられなきゃなんないんだって、びっくりしてるよ。

と、思って深田くんを見たら、なぜか彼は笑っていた。



なんでこの状況で笑えるかな!

やっぱりあたしは深田くんて人が、よくわからないよ!




「凛を泣かせたから」


「……え?」


「俺の凛を泣かせる奴なんか、殴られて当然だろ」