泣きながら、笑顔で言った。
きっとあたし、ものすごくブサイクな笑顔になってる。
でも、
「リン……っ!!」
同じように、泣きながら笑った芽衣子も、涙と鼻水でぐちゃぐちゃで、すごくブサイクで、
すごくすごく、可愛くて、おかしかった。
ぶつかるように抱きついてきた芽衣子を、強く抱きしめ返す。
「リンなのかっ?」
「うん」
「んだよ……っ! マジかよ! マジでリンなのかよ! まだ中学生って、なんだよそれ! あたしだけオバサンじゃねーか!」
「うん。うん。……ごめんね芽衣子」
「なにがだよっ」
「あの時、ひどいこと言って。余計なお世話とか言って、ごめん」
「……! っかやろ~っ」
「ごめんね、芽衣子。つらい思いさせちゃって、ごめん……!」
「リン~っ!」
道端で、あたしたちは強く抱き合って、泣きながら笑い合った。
周りの目も、気にならなくて。
ただ抱きしめてくれる親友の温かさに、胸がいっぱいで、苦しくなるほどで。
「おかえり、リン」
そう言われて、ただいまっていう言葉さえ、返す余裕もないくらいだった。


