ちょっとヤンキー入ってる芽衣子は、言葉づかいが荒い。
先生には目をつけられていて、同級生には避けられてる。
目つき悪くて、態度は大きいけど、イイ子なのになあ。
「別にるいちはあたしのダンナじゃないし。ただの幼なじみだし」
「んなこと言ってっと、他の女にかっさらわれるぜ」
「……あたしには、関係ないもん」
下級生の女子が、1人で走り去っていったあと。
るいちが不意にこっちを見上げてきて、ドキッとした。
ん? なんか口パクで言ってる?
『あ・ほ・づ・ら』?
……アホ面!?
「うっさいバカるいち!」
窓際に干されてた雑巾を引っつかんで叫んだら、
るいちは笑いながら校舎に戻っていった。
まったく、相変わらず腹の立つ。
「告られたあとだってのに、あの余裕。悪いオトコだよなぁ」
確かに、いつものるいちだった。
なんか告られ慣れてるみたいで、ますます腹が立った。


