「あの……日下先生呼んできましょうか?」


「ん? あんた……昨日のコか?」




芽衣子は目をすがめて、あたしの顔をのぞきこむ。


そっか、昨日厚化粧してたから、顔が全然違って見えるのか。




「はは! なんだ、昨日はひでーカッコしてたけど、制服着てりゃちゃんとまともな中学生に見えんな!」


「あーははは。どうも……」




日下先生も同じようなこと言ってたけど、そこまで昨日のあたしはひどかったのか。


自分ではけっこうイケてると思ってたんだけどなあ。



ちょっとショック。




「昨日は、その……ご迷惑おかけしました」


「あん? ああ、いいよそんなの。気にすんなって」




親しげに、あたしの肩をパンパンと叩いてくる芽衣子。


このサバサバした感じ、とっても懐かしくて、うれしくなっちゃうよ。




「ええと、それで、日下先生に用なんですよね?」


「いや? あたしが用があるのは、あんた」


「え……」




びしりと指を突き付けられて、戸惑う。


芽衣子の目は、観察するような静かさで、あたしを少し上から見下ろしていた。