自分の部屋に入って、教科書を用意しようと思ったけど。
その前に。
机に飾った、前にるいちから嫌味でもらった学業成就のお守りに手を伸ばす。
その中から、小さな鍵を出した。
これはあたしの、机の引き出しの鍵。
1段目だけ、鍵つきなんだ。
ここに大切な物を、いっぱい入れてるの。
秘密の鍵だから、お母さんにも友也にも、るいちには特に、隠し場所は秘密。
引き出しを開けて、日記帳を取り出した。
中学生になってから書き始めた日記。
毎日じゃないけど、夏休みの日記を最終日にまとめ書きするあたしにしては、かなりマメに書いてると思う。
「さて、今日もるいちの悪口いっぱい書いてやるっ」
こういう理由で、るいちには絶対絶対、秘密なんだ。
高校生になって、学校が別々になったら、るいちの悪口も書くことがなくなるんだろうな。
そう思うと、なんだか泣きたい気持ちになった。
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