「なにみっともないことやってるの。友也。お姉ちゃんの言う通りよ。明日は友也はお姉ちゃんの部屋には入らないこと」
「え~」
「友也。飯食う時は隣りに座ってやるから」
「ほんと!? やった!」
るいちの言葉に、友也が勝ち誇ったような笑みを見せてくる。
なんか腹立つ!
別にるいちの隣りなんて、うらやましくもなんともないけど、腹立つ!
「そんじゃ、帰るわ。また明日な」
ぽんとあたしの頭に手を乗せて、るいちが玄関のドアを開ける。
広い背中。
ずいぶん背も、差がついちゃったんだな。
「おやすみ、るいち」
「おう」
「琉兄ちゃん、ばいばーい!」
ひらひら手を振って、るいちは出ていった。
友也が「琉兄ちゃんはやっぱかっけーな」とか上機嫌で言っていて、
あたしはそれに、心の中だけでうなずいた。
あんまりかっこよくなんないでほしいなと、思いながら。


