「ただいまー」
玄関を開けると、リビングから真っ先に飛び出してきたのは、友也だ。
「琉兄ちゃん! おかえり~!」
「ちょっと友也。帰ってきたのはあたしなんだけど?」
「ああ、姉ちゃんいたの?」
うちの弟はどんだけあたしに興味がないんですか!
るいちは笑いながら、じゃれてくる友也の頭を撫でる。
「よう、友也。サッカーどうだ? 楽しくやってるか?」
「うん! 俺ね、琉兄ちゃんと同じ、MFになったんだ!」
「そうかそうか。今度練習付き合ってやるよ」
「ほんと!?」
あーあ、友也ってばすごいうれしそう。
これじゃ誰の弟なんだかわかんないね。
「お帰り、リン」
「お母さん。ただいまー」
リビングから、お母さんがでてくる。
うちのお母さんは、顔も体もちょっと丸い。
あたしの丸顔もお母さん似だ。
るいちを見て、お母さんは優しく笑った。


