「お母さんに言えば、友也のこと抑えといてくれるかも」
「いいよ別に、そこまでしなくて。うちの親、リンのこと気に入ってるし、飯くらい気にすんな。おまえがよく食うのは、いまに始まったことじゃねーし」
「うっ。やっぱり……おかわり2回はまずいよね」
「女としてな」
うるさいよ!
るいちはいつもいつも、一言余計なんだよ。
女としてまずいのは、とっくに自覚してるっての。
くだらない言い合いをしてるうちに、あっという間に家に着いた。
やっぱり送ってもらう距離じゃないと思うんだけどな。
でもるいちはいつも、遅くなったら送ってくれる。
イジワルるいちなくせに、この時は文句は言わない。
面倒がらずに、家の中までついてきてくれるんだ。
調子が狂っちゃうけど、そうされるのが、嫌じゃない自分がいる。
そんなこと、表には絶対出さないけどさ。


