あたしはバッと、勢い良く顔を上げた。
「先生……自意識過剰!」
「は?」
「ちょーっとモテるからって、調子に乗ってるんじゃないの~?
あたしはオジサンには興味ありません!」
笑った。
無理やり笑っていた。
意地張って、天の邪鬼なこと言っちゃった。
悲しくなるよ。
結局生まれ変わっても、あたしは全然、素直になんてなれてない。
「ははっ! だよな。小鳥遊には、幼なじみの矢代がいるもんな」
「べ、別に清春は関係ないけどっ」
「ほー? イイ男だよな、あいつ。おまえに対して真っ直ぐで、正直な感じが。俺なんかとは、大違いだ」
俺、なんか?
それって、どういう意味?
聞きたかったけど、
あんまり日下先生が悲しそうな顔をするから、聞けなかった。
「矢代を大切にしろよ」
「だ……だから! 清春は関係ないし!
もういいよっ。勉強聞きに来たのに、全然違う話しになってるし!」
聞いたのはあたしだけど、わざとらしく怒って、日下先生に背を向ける。
これ以上演技するのは、難しいから。


