黙り込んだあたしの肩を、深田くんが軽く叩いた。
「大丈夫大丈夫!」
「え?」
「清春の手をつかんでさ、じっとあいつの目を見て、名前呼んでみなよ」
「え? え? なにそれ?」
「いいからいいから。そしたらあいつの方から謝ってくるって!」
キラキラな笑顔で、深田くんは自信ありげに言い切った。
そんなことで、清春の方から謝ってくるの?
えー、それはないんじゃない?
あたしは疑ってるのに、横でユキちゃんとアリサもうんうんとうなずく。
「わかるかも~」
「効果てきめんて感じだよねぇ」
「うそだよ、そんなの。3人とも、あたしのことからかってる?」
「大マジだって。いいからやってみなよ! な。俺が保証する」
結局深田くんに、強引に約束させられてしまった。
そこまで言うなら、帰りにやってみるって、返しておいた。
そんなことで清春の機嫌が良くなるとは、とても思えないんだけどな。
でもやってみるだけなら、ね。
ダメだったら、考えよう。
清春に、話すべきか、話さないべきか。
考えよう。


