……な、なーんてね!


イジワルなるいちが、そんな意味で言うわけないってね!



ってゆーかこっちだって願い下げだし。

こんな悪魔に、ずーっと勉強教えてもらいたくなんてないし。


高校に入ったら、いまみたいに一緒に勉強することなんて、なくなるだろうし……。




高校。高校かあ。


るいちは頭が良いから、レベル高いところに行くんだろうな。

あたしなんかには、試験を受けることもできないようなところに。



これまでずっと、幼稚園、小学校、中学校って、一緒だった。

顔を合わせない日なんて、数えるほど。



そんな日常は、必ず終わる。

そう遠くない話なんだよね。




教科書を指しながら解き方を教えてくれるるいちの顔を盗み見ながら、


それはちょっと、寂しいなと思った。