木原くんと戻ってきた陽子は、ほんの少し顔が赤かった。



(───陽子、やっぱり木原くんのこと・・・)




なんて考えて、すぐに止める。


何で私はこんなに木原くんのことを気にしなきゃいけないの?
違う、きっとあれは何かの間違えに違いないんだ。




「いつか先輩、どうしたんですか~?食べないんですか~?」



はっとすると、乃架ちゃんが私の顔の前で手を振っていた。
考え事をしていたので、気付かなかった。



「ちょっと暑くって・・・あ、海入ってくるね!」



なんとなく、その場に居たくなくて私は海へ逃げた。
海水が胸の辺りまでの所に行こう。
頭を冷やしたい。・・・まぁ物理的に言ったら冷やしてるのは身体なんだけど(笑)


いや、(笑)じゃなくて。



「・・どうしちゃったんだろ、私」


海の中をずいずいと進みながら、考え事を始める。
こんなことになったのも、あのスケジュール帳のせいだ。



(あの写真とプリクラ・・・)



あれは本当に私だった?
・・・でも、自分が自分を見間違えるわけないし・・・


「って、・・っ!?」


ずる、と水の中で足がすべる。
気がつけば、足が届かないところまで来ていたらしい。

私は考え事をしていたのと、急に足が届かなくなったこととで軽いパニックに陥った。




(なんで、なんで、どうして───)




そればかりが頭の中を駆け巡る。



「っ、・・ふ、っ!!」



ダメだ足がうまく動かない・・・
身体が鉛のように重たくて、何も考えられなくなって・・・






こんな、海で人って死ぬのかな・・・?






そんなつまらないことを考えていた。