「はー、楽しかった」
陽子の家からの帰り道。
時は既に夕方を回っていて、オレンジ色の日差しがまぶしい。
背の高いささくんを見上げると、夕日が目に入って痛かった。
でもささくんが満足げに笑っているのが見えてそれすら忘れて見入ってしまう。
結局あの後、格闘ゲームを繰り返した二人は、いつの間にか仲良しになっていた。
・・・それにしても、小学6年生と対等な立場の大学2年生ってどうなんだろう。
「いっちゃんも、楽しそうだったし」
「え、そうかな?」
「うん、笑ってたじゃん!あの笑顔みるの久しぶりだったなー・・・」
その言葉の裏には、”事故前の”という意味が含まれているんだろう。
でもそんなの全然気にならなかった。
「なら、よかった!・・・私ね、もう記憶がないときのこととか、気にしないようにしたいんだ」
「気にしないように、・・・か」
ささくんの表情が、ふと硬くなった。
それを見抜いた私の視線に気付いてか、慌てて笑顔を取り繕う。
「じゃあ、俺、こっちだからさ!・・・またね、いっちゃん」
背を向けようとするささくん。
なんとなく、どうしてもいたたまれない気持ちになって、彼を呼び止めてみたい衝動に駆られた。
陽子の家からの帰り道。
時は既に夕方を回っていて、オレンジ色の日差しがまぶしい。
背の高いささくんを見上げると、夕日が目に入って痛かった。
でもささくんが満足げに笑っているのが見えてそれすら忘れて見入ってしまう。
結局あの後、格闘ゲームを繰り返した二人は、いつの間にか仲良しになっていた。
・・・それにしても、小学6年生と対等な立場の大学2年生ってどうなんだろう。
「いっちゃんも、楽しそうだったし」
「え、そうかな?」
「うん、笑ってたじゃん!あの笑顔みるの久しぶりだったなー・・・」
その言葉の裏には、”事故前の”という意味が含まれているんだろう。
でもそんなの全然気にならなかった。
「なら、よかった!・・・私ね、もう記憶がないときのこととか、気にしないようにしたいんだ」
「気にしないように、・・・か」
ささくんの表情が、ふと硬くなった。
それを見抜いた私の視線に気付いてか、慌てて笑顔を取り繕う。
「じゃあ、俺、こっちだからさ!・・・またね、いっちゃん」
背を向けようとするささくん。
なんとなく、どうしてもいたたまれない気持ちになって、彼を呼び止めてみたい衝動に駆られた。