目を覚ます間際、ギュッと手を握られた気がした。


視界は真っ白だったけど、声は聞こえた。



『さよなら』



流暢な、母さんの声。


そして、真っ白な世界で父さんが待っているようだった。


もう、振り返らない。


前に進む。


父さんと共に生きよう。


母さんの愛を、忘れず生きよう。


―――さよなら



【真樹side終幕】