手を伸ばせば、届く距離まで。




なんとか壁に寄りかかって、体勢を直した。


困惑して、転びかけた位置に目を向ける。


「…か―――華織!?」


華織!?何でこんなとこに―――


「うっ」


…となりに、男の人がいた。


そしてその人がいきなり、うずくまってうなり始めた。


意味が分からない!


俺の声を聴いて、真樹と久野も駆けつける。


みんなで絶句した。


状況が呑み込めない。