斎藤正樹side
「正樹っ」
人間界について、直ぐに中川桜の部屋に行くと
部屋にいた中川桜は顔を輝かせて俺の名前を呼ぶ。
「……おい」
「正樹、もうダメかと思ってたけど…よかった、また会えた」
そう嬉しそうに笑う中川桜に、俺は嫌な予感がした。
「……何で別れた?」
「え?」
「本気の恋愛を、しようとしたんじゃないのか?」
俺が真剣な目で見ると、中川桜は少しぽかん、とした顔をし
直ぐにじわじわと頬を赤らめた。
――――…ああ、やっばりな
その態度に、俺は自分の予感が確信に変わるのを感じた。
「あ、あのね……あたし、
もう本気の恋愛してたって気付いたの」
そう言って中川桜は俺をじっと見る
――…やめろ、それ以上は……
「あのさ、あたし……」

