きゅーぴっど②


斎藤正樹side




「正樹っ」


人間界について、直ぐに中川桜の部屋に行くと
部屋にいた中川桜は顔を輝かせて俺の名前を呼ぶ。


「……おい」
「正樹、もうダメかと思ってたけど…よかった、また会えた」


そう嬉しそうに笑う中川桜に、俺は嫌な予感がした。


「……何で別れた?」
「え?」
「本気の恋愛を、しようとしたんじゃないのか?」


俺が真剣な目で見ると、中川桜は少しぽかん、とした顔をし
直ぐにじわじわと頬を赤らめた。


――――…ああ、やっばりな


その態度に、俺は自分の予感が確信に変わるのを感じた。


「あ、あのね……あたし、
もう本気の恋愛してたって気付いたの」


そう言って中川桜は俺をじっと見る





――…やめろ、それ以上は……









「あのさ、あたし……」