「正樹――――ッ!!」
「うぉっ!?なんすか班長ッ!!」
俺が部屋に入るなり、猛スピードでコップが飛んできた。
俺は驚きながらそれをかわす
標的を失ったコップはそのまま扉にぶち当たり、粉々に飛び散った。
「危ないじゃないですか班長」
「貴様ァッ!!
仕事を放棄した分際でなに悠々と帰ってきているんだ!!」
「……は?」
《放棄》した?
成功ではなく、《放棄》?
「いや、俺はちゃんと中川桜に彼氏を作らせましたよ?」
訳もわからずハテナマークを出す俺を
班長はギロリ、と睨み、
後ろにあった椅子にどかっと音を立てて座った。
「………中川桜が、お前が去ったあと直ぐに彼氏と縁を切ったんだよ」
「は!?」
班長の言った言葉に、俺は思わず叫んでしまった。
班長はそんな俺を一瞥すると、少し落ち着いたのか
懐から煙草をだして、火をつけた。

