きゅーぴっど②




「お、落ちこぼれキューピッド班の正樹じゃん」
「また依頼失敗かー?」


途中、歩いていると
他のキューピッド班の奴等に口々に話しかけられる

それに俺は「うるせぇ」とふてくされたような声で言い返すが、

皆そんな俺をケラケラと笑い「まあ頑張れよ~」と言って去っていく。

それに少し恥ずかしさを覚えながら、
俺は班長の居る部屋へ急いだ







「班長~
恋のキューピッド第9班班員、斎藤正樹帰りました~」


俺は気だるげな声を発しながら
目の前に静かにたたずむ大きな扉をコンコンと叩く。

しかし、いつまでたっても返事がない


「………めんどくせ」


はぁ、と溜め息をついて
俺はドアノブを握り
ゆっくりと扉を開けた。