いつもの登校風景。

俺と優璃に、一つだけ変わったことがある。


手をつないでいる。こと。


「にゃああああああああああ!?!?」


後ろからものすごい奇声がして振り向くと、

そこには見慣れた奴の姿が。


「何!?あんた等何!?どうなってそうなった!?」


優璃の友達の杏奈。

俺と優璃を指差して目をぱちくりさせている。


「みたらわかるでしょ!!」


優璃は俺の方をちら見してそう言った。

そんな優璃の腕を俺から引きはがして杏奈は道のすみっこに優璃を連れて行った。


なにやら女の子の世界だから俺は入れなかった。



---


遅刻しそうになりながらも学校について、

それなりにいつも通りの授業をうける。


「ん、?」


ななめ後ろの席から、紙が飛んでくる。

後ろを振り返れば、優璃。


唇に人差し指を当てている。