戸惑う私の横で食べようとする谷口弘人に春菜は慌てる。

なんで……

「あの、困る…、谷口君に食べてもらうような代物じゃ…」

「あっ?」

睨まれて黙る。
こ、怖い…。これ以上関わらないでおこ。

「名前は?」

言いたくない~…。
じっと見られてる~。


「…上野…春菜です。」

「春菜、食べねーの?」


隣で!とんでもない!
ていうか、いきなり呼び捨て!?

「…友達と約束してるから…。それに、誰かに見られたら…。」
怖過ぎる…いろんな意味で…関わりたくない!


「ふ~ん。けど、遅くね?」

谷口弘人は校舎をちらっと見る。
何人かこちらを見てる。

ひぃ~嫌~~。早く離れないと…。

「あの、お弁当箱捨てといて下さい!。失礼します!。」

「おいっ!」

谷口弘人の呼びかけは無視して、足早に離れた。


今なら私の事は解らないはずっ!
やだよ~。こわい~。