「何か気になることがあるのか?」



私の作ったホワイトシチューを口に運びながら、翔さんは目線を上げずに問いかけた。



無意識にジッと見つめてしまっていたらしい。



私は慌てて目線を逸らすと、首を振った。




「い、いえ、何も……」



「ふーん……」




そんな私を見て翔さんは腑に落ちないように頬杖をつくと、パンを齧った。



「お行儀悪いですよ!」



「食事中に用も無いのに人の顔をジーッと見るのは行儀悪く無いのか?」



注意したつもりが逆に言い返されてしまい、面食らう。



「用ならありますよ。翔さんって大学どうしてるのかなぁって」



本当に聞きたい質問とは違う質問をして、翔さんの言葉に切り返した。