こうして手酌で飲む酒が本当は一番美味しいと

20歳の誕生日に酒を覚えて以来ずっと
そう信じている。


酌をするのもされるのも

当時から苦手であった。



親戚一同が集まった正月の酒の席でぽつりと
そんな意味の事をこぼしたら

隣に座った母親に

「あんたね、そういう事言うもんじゃないよ」

と、たしなめられた。