時計を確認したら、1時間以上も経っている。 仕事中なのに、その間何もやっていない。 だいたい蓮杖さんは、玲に用事があって来たはずなのに。 「大丈夫だよ。 桐藤くんは知ってるから」 「えっ……?」 「戻ろうか」 それ以上、蓮杖さんは何も言わなかった。 蓮杖さんの言っている意味が、よく分からない。 玲が何を知っていると言うのだろう。 私のせいで仕事が進んでいないはずなのに。