「雅治くん……」 美羽の呟いた言葉に、雅治は驚いた顔をした。 そして、自嘲気味に笑いながら言う。 「初めて、美羽に名前を呼ばれたな」 そう言われて、初めて気付いた。 1度も名前を呼んだことがなかったと言うことに。 特に、理由はなかったけれど 「結婚、したんだ……」 美羽の指に光る物に気付いたらしく、そう呟いた。 美羽は、静かに頷く。