「そろそろ出ようか?」




考え込んでいた美羽に、千晃は言った。


それに美羽も頷き、カフェを出た。


その瞬間、目の前が真っ暗になった。




「ちょっと、大丈夫?」




千晃の声に、ようやく美羽は自分の状況を理解した。


そして、痛みに気付いた。




「痛かった……。
たぶん、大丈夫」




人とぶつかったおでこをさすりながら、答える。




「それならいいけど……って、美羽っ!」