「これは、直哉くんが大変そうだね」 そう、美羽は思った。 以前は、千晃の方が好きだったはずなのに、今では直哉の方が気持ちが大きいように思えた。 千晃の気持ちは、表に出にくいから分かりにくかった。 それから、全員が席に着き、賑やかな食事が始まった。 話しは尽きないし、笑いの絶えない空間だった。 「美羽ー、飲み物ある?」 かなりお酒を飲んでいるはずなのに、顔色一つ変えずに千晃が言った。