アタシは首を傾げながら、鞄から鏡を取り出して自分の顔を映した。 特におかしなとこはないと思うけど。 「アタシ、どこかおかしい? いつも通りなつもりなんだけど」 鏡から目を離し、結花を見る。 「いつも通りねぇ。 絢子、彼の話しをしている時って、どんな気持ち? あ、ぶつかった時とか」 おかしな所を聞いているのに、結花は質問をしてくる。 「ぶつかった時? 別に、どうとも思わなかったけど……あ、また会えるかなとは思ったよ」