アタシは、その問いに驚いた。 まるで、近くで見ていたように結花は言うから。 「だって、私たち小さいから人混みの中じゃ、ぶつかるよ」 「あ、そっか」 結花の言うことは、もっともだ。 背が低い人にしか分からないこと。 「でも、そう。ぶつかったの! 肩とか体の一部がぶつかっていたんだけど、1人だけ正面衝突しちゃった」 そう言った時、結花はジロジロとアタシを見ていた。 何でそんなに見る必要があるか、分からないけど。