「絢子、どうかした?」 その様子に気付いて、結花が不思議そうに聞く。 「え?何で?」 アタシは、それに疑問で返す。 「何でって……キョロキョロしているから。 誰かいたの?」 「え? キョロキョロしてた?」 確かに、視線は別の方を向いていた。 だけど、自分ではキョロキョロしていたつもりはなかった。 完全に、無意識だった。 何を見ていたか、 何を探していたか、 自分でも分かっていない。