そう言われて周りを見れば、確かにかなり移動していた。 結花を探していたつもりが、人混みの中心へ移動していて、アタシから離れて行っていたみたい。 「ごめん、気付いてなかったよー」 「見つかったからいいけどね」 結花は、少し呼吸が乱れていた。 たぶん、走って探していたんだろう。 そう思うと、本当に申し訳なく思う。 「ねぇ絢子、何かあった?」 そんな結花が、急に神妙な顔をして言った。