だけど、言われるのが嫌で、ずるずる延ばしていた。 そんな話しはせずに、他愛もない話しで誤魔化して来た。 それも、今日で終わり。 とうとう美羽の意思が固まったみたいだ。 複雑な表情が見え隠れしていて、今にも泣きそうになっている。 その表情すら愛しい。 でも、抱きしめるのも包み込むのも、オレの役目じゃない。 最初から、割り込む隙なんてなかったんだ。――― 「ごめんなさいっ……。 ごめん、なさい……」