言えば、仲が拗れてしまう。 ずるいかもしれないけど、傷つけて別れるよりはましだった。 「今から行く? 会えるか分からないけど」 そう言いながらも、千晃は車のエンジンをかけてシートベルトをする。 あたしの答えは決まっていると、見透かすように。 「行くよ。 今行かないと、たぶん後悔する。 何も言えなくなるけん。 千晃、付き合ってくれる?」