―――全てを奪いたかった。
1人静かに泣いているのに気付かないヤツに、渡したくない。
それでも美羽は、彼氏が好きだから……。
ここに来たからと言って、オレを好きにはならない。
だからオレが出来ることは、美羽が笑ってくれるように話し相手になることだけ。
奪うとは言ったけど、これ以上何かをすれば美羽に迷惑をかけてしまう。
困らせたい訳じゃないから。
だけど、やっぱり我慢出来ないから、キスをする。
美羽が嫌がらないのをいいことに、キスをする。
ずるいことだと分かっている。
でも、我慢出来ないんだ。
いつか離れると分かっている。
その時までは、どうか……。―――


