あたしは、彼の言っていることが理解出来なかった。 ほぼ初対面なのに、なぜこんなことになっているんだろう。 「そうそう、オレは橘雅治。 ちなみに28歳。 君は?」 「え?あ……神西美羽です。 24です」 急に名前を聞かれて、戸惑いながら答えた。 そう言えば、お互い名前も知らずにいたんだ。 「美羽かぁ。 可愛い名前だね」 そう穏やかな笑顔と共に言われると、またドキッとする。 今日、何度目だろう。