それは、表情からは想像も出来ないほど早かった。 その鼓動を聞いていたら、自分の鼓動も早くなった。 そして、これ以上何も言えなくなった。 「俺だって、水嶋と同じだよ。 平気なふりして、いじめているようなふりして、ただ水嶋が欲しかっただけ。 温もりを感じたかっただけなんだ」 「その言い回し、微妙……」 思わず笑ってしまった。 「何だと? そんなこと言うか? こうしてやるっ」 そう言ってうちの顔を上げると、頬を両側へ引っ張った。