顔は真っ赤で、心臓はバクバク言っている。 とりあえず逃れようとするので、いっぱいいっぱいだった。 逃げようともがいてみるけど、笑いながらでも力は強い。 だから、外れなかった。 「何で逃げようとする?」 不思議そうに加藤くんは聞くけど、誰だって逃げたいと思う。 「だって、恥ずかしいんだよ。 誰かに見られたら……!」 「今、何時だと思っている? こんな時間に、誰も通らないよ」