「ちょっ……やだっ。 離してよっ!」 加藤くんの腕の中で、もがき続けた。 うちの顔、絶対赤くなっている。 だって、うちの顔を見て加藤くんが笑っている。 「笑っていないで、離してよっ」 「笑って悪いけど、その顔見ればさっきの本気だって分かるわ」 うちには、何のことを言っているのか理解が出来なかった。 この状況で、正常に思考回路が回っている訳がない。