だけど、もう1度同じことなんて出来ないし、言えない。




「何でもないよ」




そう言うけど、彼は許してくれない。




「何で、逃げるの?」




鋭い目でうちを見る。


その視線に耐えられず、目をそらした。




「別に、逃げてなんかない」



「逃げてるよ。
目、そらしているし」



「それは……
うちは人の目を見て話すのが苦手だからだよ」




言い訳じみたことを言っているけど、これは本当のこと。


だから、問題ないと思った。