SEASONS【完】




「分かった。
ここじゃ嫌だから、他行こう?」




仕方なく頷いた。


だけど、このままここで話していれば、いずれ仕事を終えた誰かと鉢合わせする。

それは避けたかった。




「じゃあ、お腹すいてない?
俺、腹減ったんだよね。
食いに行こう」



「は?
ご飯って、こんな時間に?」




思ってもいない提案に、うちは目を丸くした。


彼がいつからここにいたのか分からないけど、もう10時近くだ。


そんな時間にご飯に誘われるとは、思わなかった。