会社を出れば地獄だった。 足早に駐車場へ向かった。 「……お疲れ様」 こんな時間に誰もいないと思っていたから、油断していた。 体がビクッと反応して、声がした方を見る。 そこにいた人物を見て、また驚いた。 「加藤くん……!?」 少し暗がりで顔の判別がしにくいけど、声はまぎれもなく加藤くんだった。 「仕事、終わった?」 ゆっくりこちらへ向かいながら問いかけてきた。