この空気は、まだ耐えられる。 だけど、彼が来たらどうだろう。 耐えられるか分からない。 だから、来なければいいのにと思った。 「水嶋さん……」 課長がよそよそしく話しかけてきた。 「今日、加藤くん、午後来ますって。 ……連絡あった?」 「そうですか。 分かりました」 うちは、努めて明るく振る舞った。 こんな状態じゃ、終わる仕事も終わらない。