そして、自然と残業も延びた。 そんな状態でも、仕事が楽しかった。 それは、彼が近くにいるから。 10年もの間、彼がどこで何をしているかなんて知らなかった。 仕事の話しばかりだけど、番号も知っていて、電話もしている。 それが凄く幸せだった。 「えー!? 凄い偶然じゃん! やっぱ運命?」 ある休日、美羽が凄い興奮したように言う。 「だから、ただの偶然じゃん。 すぐ運命とか言わない」