「でもさ、こんなに大勢の中で会えるなんて、運命じゃん? これを機に遊べばいいじゃん! そしたらいい方向に行くかも」 満面の笑みで美羽は言う。 「アドとか知らないって」 「あっ……。 じゃあ、今から聞きに行こう!」 落胆しても、すぐに浮上する。 そこが、美羽の良いところかもしれない。 「そこまでしなくていいって」 「何でー?」 不満たっぷりな美羽を宥めて、祭りの会場を後にする。